日本国内では、スクリーンと基材間の距離は「クリアランス」または「ギャップ」と表現されることが多い。一方、海外では一般的に Snap-off distance と呼ばれる。
スクリーン印刷においては、スキージ通過後にスクリーンが基材から速やかに離れる挙動(Snap-off)が極めて重要である。この離間挙動が不十分な状態は「版離れが悪い」と表現される。
版離れが不良の場合、スクリーンと基材の接触時間が長くなり、インクの過剰転写や流動により、にじみやパターンの潰れといった印刷不良の原因となる。
版離れが悪化する主な要因として、以下が挙げられる:
- ① スクリーンテンションが低い
- ② Snap-off distance が不足している
- ③ スキージスピードが速すぎる
- ④ インク粘度が過度に高い
このうち、印刷中に調整可能なパラメータは②および③であり、④については希釈等による調整が可能な場合に限られる。
版離れを適正化するためには、Snap-off distance とスキージスピードのバランスを最適化する必要がある。理想的には、スキージ通過直後にスクリーンがそのテンションに基づき、基材から瞬時に離脱する状態(Snap-off挙動)が求められる。
版離れがスキージスピードに対してわずかに遅れている場合は、スキージスピードを低減することで改善が可能である。一方、版離れが著しく遅れている場合(図示のケース)は、スキージスピードの調整のみでは十分な改善が得られないことがある。その場合には、Snap-off distance を拡大することが有効である。
それでも改善が見られない場合は、スクリーンテンション不足またはインク粘度過多が支配的要因である可能性が高く、これらの根本的な条件見直しが必要となる。
